





スズタケ(シノタケ)は、山野に繁る細い笹竹で、柔らかく弾力性に富んだ素材。岩手県内に自生しますが、特に県北の二戸郡一戸町鳥越地区は、古くからスズタケを使った竹細工が盛んな地域です。しなやかで丈夫、使い込むほど色に深みを増すスズタケのバッグやカゴ、ザルなど全国的に人気です。いちのへ手技工芸館(一戸町)では、一戸町鳥越地区に受け継がれるスズタケの竹細工品を取りまとめ、手提げカゴ、ザル、文庫などバラエティに富んだ道具を揃えて取り扱っています。
■仕様
・タテ:約17cm
・ヨコ:約10cm
・深さ:約6cm
■岩手と編組み
県土のおよそ8割を森林で占める、岩手県。西側には奥羽山脈、東側には北上山地が連なり、さまざまな広葉樹や植物に恵まれた環境があります。そして、古くから農漁村の人々は、近くの山林や里に自生する植物を生かして多彩な日用道具をつくり、生活に役立ててきました。枝木、樹皮や蔓などを使った編組み細工もその一つ。農閑期となる冬の貴重な手仕事として親から子へ受け継がれ、それぞれの土地柄にあったものを、技の工夫をしながらつくり続けてきました。
農漁業に使うカゴ、日用品のザル、収納用の行李等、居住空間やなりわいによって、あるいは手に入る材料によって、つくるものの形状や用途は多種多様。スズタケやマダケなどの竹細工、アケビ、クルミ、ヤマブドウなどを使ったバッグやカゴ、箒、地域それぞれの技が生かされた編組みがあることが、岩手らしさです。
■いちのへ手技工芸館(一戸町)
一戸町一戸字越田橋11-1